第15回長時間透析研究会

会期 2019年10月12日(土)〜13日(日) 会場 つくば国際会議場

大会長挨拶

第15回長時間透析研究会 大会長 小林 弘明

小林 弘明

第15回長時間透析研究会 大会長
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター 透析センター長

第2回の当会より参加させて頂き早14回目となります。

 長時間透析を行うことにより、透析患者の約半数を占める心不全死と感染症死を防げることは実証されました。とくに現役世代では深夜オーバーナイト透析や在宅血液透析の普及によりADL の低下なく、仕事も失うことなく、たとえ糖尿病性腎症であっても余命が著しくよくなることがわかっております。

しかしながら、近年の透析患者の話題はやはりサルコペニア、フレイルといった筋萎縮、筋力低下によるADL低下を背景にした歩行困難透析患者、要介護透析患者の増加と考えられる。現在、透析患者年齢バランスは1/3が現役世代、1/3 が65 歳~74 歳の団塊の世代、1/3 が75 歳以上の後期高齢者と占めている、つまり透析患者の 2/3 を占める65 歳の患者がサルコペニア、フレイルに陥る可能性が高い。
 長時間透析は高齢者での長期予後が改善する可能性は高いが、サルコペニア、フレイルを長時間透析による十分な蛋白摂取と十分な除去のみで予防することは難しいと考えられる。日勤帯の長時間透析であれば、標準時間透析よりも長い時間の臥床を強いられることは間違いない。標準時間透析患者の多くが透析日には透析後にすぐには動けず自宅での仮眠を余儀なくされるので長時間透析の臥床時間と変わらないという意見もあるかもしれないが、非透析者と比べれば臥床時間が延長していることには変わりがない。
 また、患者送迎によるdoor to door の生活も下肢筋力低下の助長要因であることも間違いないであろう。高齢者は個別には著しい差異があり、一概には言えないかもしれないが、長時間透析を行うことにより、より長くより悪い非健康寿命を増やしてしまうことは真に良いことか否か検討してもいい時期にきていると考える。
 2018 年カルニチン研究会の参加者アンケートでは透析中または透析前後で何らかの運動療法を取り入れている施設は22%程度であり、昨年と変わりがない。行おうとしても運動療法の場所の確保・適切な指導人員・運動療法の内容・送迎のタイミングとの兼ね合い・患者の都合等々で躊躇する施設・実際にはできない施設が多いのであろう。

 今回の長時間透析研究会では65 歳以上高齢者にスポットをあて、長時間透析の必要性、長時間透析の効果、サルコペニア、フレイルの予防に役立つのか否か、行っているならば運動療法の工夫、食事療法の工夫についての演題をお待ちしております。
 よろしくお願いいたします。

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